2005/06/24

この地球を包む

けしてやまない歌に GOOD MORNING!



ってことで、Jackson Vibeが好きだ。
あったかい声と素直なサウンド、真っ直ぐな歌詞が好きだ。

初めて聴いたのはスペシャで流れまくってた『セピア』。
Vo.のグローバーが、なんとなくスネイルランプのアキラさんに似てると
思ったのが一番最初の印象。

近所のGEOが無駄に品揃え良くなって来たので
��なんでマッカチンのアルバムがあるんだ。メローは1枚もないのに)
何となく借りて聴いてみた。
音の感じはなんとなく民生を思い出すなあ、という曲が幾つかあるのだが
全然民生とは違う。当たり前だけれど。

民生はゆるくて渋くて熱い。キャリアがあるゆえの達観と、
尚冷める事無い情熱が混在して、化学反応を起こしている。
だからどんなかっこでも一人アコギでもかっこよくて渋くてゆるい。
一方、Jackson Vibeはあたたかい。ただただ、あたたかい。
諦観も、達観も、絶望もそこには無い。
過剰な期待も絶望も無い。
ただ、日常がそこにあって。彼等は音楽を愛していて。
絶望よりは希望の方がいいからと、そう唄っているような感じだ。
死を唄った曲でさえ、あたたかい。ただ、あたたかい。
絶望するわけでもなく、必死に希望にしがみつくわけでもない。
何か、超越しているような歌詞だなあと思ったのだが
それはけして特殊なわけではなく、
人が本来持っている強さなのだと気付いた。

彼等はこの世界を生きている。
とてもフラットに、一個の人間として。
心の奥底からわきあがる黒い塊を搾り出すようには唄わない。
何かを悟っているようなフリもしない。
例えばJAPANを読んでいて、私が苦手だなあと思うバンドの殆どは
今のシーンだのなんだのについて不満を口にしたり
ライブでどこかのバンドの悪口を言ったり
自分が体験した絶望がいかに特別なものだったかを語ったり
オナニーの最果てに音楽があるような人たちだったりするけれど彼等は違う。
音楽が特別なものだと思っていないんだと思う。
好きで、奏でるもの。好きだから、生まれるもの。
日常を生きているからこそ生まれ出るものがちゃんとほんものであることを
彼等は知っていて、それをとても素直に放つから。
だからどんな曲でもあたたかい。

特別個性があるわけじゃない。
突出した何かを持ってるわけでもないかもしれない。
だけど、グローバーの声はとてもあたたかくて厚い。
生きてる事が、音楽をやっていることが、当たり前だからこそ
『普遍的な』音を。本来の意味でのポップを、
彼等は持っているんだと思う。