2006/12/18

Vibe其の七@下北沢SHELTER

開場前から降り出した雨に、濡れる。
遅れて開場。人の入りが凄い。空気が重い。
やっぱりどうしても特別だからかな。自分を含め、客が皆気負ってると思った。
一つも見逃さないように、とか後悔が残らないように、とか。

いつものSE。いつも通り皆で手拍子。
いつもどおり笑顔で出てきたメンバー。
シャツにネクタイ。
あ、もっちゃん髪切った。
…ミッシェルのクハラがいらっしゃいます。
ではなくて、バクチクの人でもなくて、橋谷さん、モヒカン。
あまりの衝撃に全て持っていかれた感がありました。



・ようこそ
この曲で始まった。凄く嬉しかった。皆嬉しそうだった。
Jackson vibeのはじまりのうた。
「橋谷 頭いいかい」「モトキチ おなかどうだい」
替え歌で笑わせるグローバーさん。佐藤さん、失笑(笑
「すがっち カウントちょうだい」
思いっきりの笑顔で頷いて、「1,2,3,4!」
この曲で、もっちゃんの名前を聴けるのはきっと今日で最後だ。
ほんとに嬉しそうにカウントしたもっちゃんと、物凄く気合入れて歌い上げたグローバーさん。


・愛のうた
カウントして、やっぱりこれ。凄いモッシュ。今までで一番だな。
シェルターはステージが低いから、皆見たくて必死。
橋谷さんのギター、すんげー気合はいってた。
何度ももっちゃんを見る佐藤さん。
客席も何度も見渡してくれる。


・バスにとびのれ
何かを振り切るように歌うグローバーさん。
その力強さに客席がどんどん笑顔になる。
大サビ前のフィルイン、凄く力強かった。
客席の皆でのoioiコールもいつもよりも強い、大きい。
突き上げた拳に想いが乗っかってるみたい。


・未来少年
「朝は来なくていい」「春は来なくていい」
今の気持ちそのもので、苦しかった。
だけど、前に進まなきゃいけないことをちゃんとわかってる唄。
ノスタルジアを喚起させるイントロ、もっちゃんのドラムの凄さが際立つアウトロ。
佐藤さんと何度も目を合わせて呼吸を合わせる。
橋谷さんのギターが凄く丁寧であったかい。


・SUPER Y
もっちゃんの独壇場。
佐藤さんがみんなに手拍子を煽りまくり。客の皆も飛びまくり。
グローバーさん、天井低くて飛びきれなくて、気持ち抑えるの大変そう(笑
橋谷さんのギターソロ、今まで一番アツかった。
佐藤さんのチョッパー、死ぬほどカッコイイ。
手を伸ばしたらネック触らせてくれた。初めて触ったよ!
もっちゃんのドラムソロ、今までで一番はまってた。鳥肌たった。
ドラムソロのラスト、音が途切れた瞬間の最高の笑顔。たまらない。


・ワンダ
畳み掛けるように「ワンダ」。この辺りからモッシュも一段と激しくなってフロアの熱が凄まじい。
「12345467!」のカウントも太い!
シェルターを壊すくらいの情熱と衝動。
こんなに激しい曲なのに、なんで皆こんなに笑顔なんだろう。
顎をきゅっと引いてリズムを刻むのは、LOOPのときと同じ。
だけど、こんなに太くて厚くてあったかい音は今だからこそ。


・風
サビの「手を伸ばせ」で必死に手を伸ばした。
とにかくステージに向かって手を伸ばした。
何を掴みたかったのかはわからないんだけど。
自分をすり抜けていく一瞬一瞬を、捕まえたかったのかもしれない。
グローバーさんの声が圧倒的だった。
速い曲の時のかっこよさってのはほんとに凄い。


・GETTAWAY
イントロでぎゃああってなってしまった(笑
BBSでリクエストしてました。聴くのは去年のO-West以来。
あの時よりもなんだろ。色気っつか、艶が増した気がする。
どきどきする。のっけから飛びまくりで楽しくて。


ここでMC。いきなりメンバー紹介。
橋谷さんは、自由が丘で今日モヒカンにしたらしい。
グローバーさんが「間違った自由」と言っていて爆笑した。
もっちゃんが「ハッシーに全部持って行かれた」と笑った。
佐藤さんは「1年もダイエットネタ引きずってまして。僕2キロ痩せたんですけど
数字でしか表れない…」とぶつぶつ。
なんてアホなバンドなんだ。今までと同じ、しょうもないMC。
「今日はVibe企画ですからカバーも勿論やりますよ。」
と、ここからカバー3連発。


・NO(電気グルーヴカバー)
すげーかっこよかった。
テクノなのでループなのに、楽器が全部凄く歌ってる。
ジェネレーションギャップなのか、なんなのか
ノリ方がわからない人が少なくなかったみたいですが(汗
きっちり躍らせていただきました。いや、これほんとに気持ちいいよ。


・デイドリーム・ビリーバー(ザ・タイマーズカバー)
ここまでで一番ゆったりとした曲じゃないかな。
クールダウンじゃないけど、少しだけしんみりしちゃったね。
「ずっと夢みさせてくれてありがとう」の時、
佐藤さんの顔が少し歪んだ気がした。
胸が、痛かった。


・ラブリー(小沢健二カバー)
待ってましたのラブリー!最高にハッピーな瞬間です。
オリジナルだとホーンが入ってて凄くゴージャスなんだけど
バンドサウンドのソリッドなロックアレンジ、ほんとに秀逸。
ベースラインも気持ちいいし、ドラムの太さが最高!
グローバーさんの唄がほんとにはまってる。
7分もの長い曲をきっちりやりきる強さにも感動。


ここでもいっちょMC。
「新曲を」とグローバーさん。


・浪漫PEOPLE
初めて聴いた。力強い、速い曲。
やっぱりドラムは手数多め。
一回聴いただけじゃレポできない…(汗
すみませむ。でも、今までとはちょっと色の違うかっこいい曲です。


・LIFE
もう一発新曲を。
「ぴかぴかレコード 溝がなきゃ 聴こえねえ」
のフレーズを歌い上げるグローバーさんが、ほんとに魂を振り絞ってるように見えた。
皆の後ろで叩くもっちゃんが、噛み締めるように叩いてた。
大サビ前のフィルイン、いつもと変わらず死ぬほど気持ちよかった。
胸に、おなかにドラムの音が響く。
最後の「LIFE」の連発、拳を突き上げて私も一緒に歌ってた。
終わる瞬間を惜しい、と思ってしまった。


・GOD OF MUSIC
この曲をやるとき、一発目のドラムの音を叩く瞬間のもっちゃんの笑顔が凄く好きだ。
フロント3人がもっちゃんの方を向いて、皆で音を産み出すその瞬間が永遠に思えた。
一生忘れない光景。音楽の神様がそこにいた。確かにいたんだ。
力強いドラム、それの上に乗るベース、丁寧に転がるギター。そして、圧倒的な声。
全てが綺麗に絡み合わないと生まれない、極上の音楽。最高だ!
4人じゃないと出せない音だった。この4人じゃないと。


・さよならヒーロー
印象的なイントロから、これ。
ドラムソロの時は全力で手を叩いた。
改めて、Jackson vibeの詞は前を向いて力強いと思う。
何もかもが餞に聴こえてしまって。
感傷的になる暇もないくらいの音の洪水の中で、どうしても。


・朝焼けの旅路
全員で、全力で、カウント。
皆の想いが爆発した瞬間だった。シェルター、揺れたよね?
「ありったけの力で 涙のその先へ」
全部の思いをぶつけるように歌うグローバーさん。
佐藤さんも前に出てきて私達を煽る。
橋谷さんも思いを爆発させるようなプレイ。
もっちゃん、笑ってる。がんがん叩きながら、凄く嬉しそうで
その笑顔がいつもと同じでほんとに嬉しくなる。


・MUSIC FREAKS
「僕ら4人の為に唄います。」
きっぱりとグローバーさんがそう言って始まった。
その潔さをとても愛しいと思った。
全員が泣いてた。タムラさんも静かに袖で泣いてた。
涙が止まらなくなってしまって困った。
ステージがぼやける。涙が拭えなくて、頬を伝ったまま一音も聴き逃すまいと全身全霊で聴いてた。
最後の一音が消えたとき、もっちゃんが笑った。
切なくて、切なくて。だけど凄く幸せな光景がそこにあった。
4人が前に出てきて、手を繋いで挨拶。


ここで、本編が終わった。

アンコールの声と手拍子がシェルターに響く。
もっちゃんを呼ぶ声が聞こえる。
出てきたメンバーは、ちゃんと笑顔だった。


・言わずとも
客席も、涙を拭って超笑顔。
この曲はカップリングだと言うのに大人気なのだ。
楽しくて、楽しくて飛び跳ねた。
「言わずとも愛とは伝わってるもんかい」
伝われ、と思ったよ。
今日来れなかった人たちの想い、全部背負って4人で唄え、と。


・Walkin' Moon
会場に、ピースが咲いた。
佐藤さんが客席をじっと見つめた。
もっちゃんが、嬉しそうに笑った。でも、泣いてたよね。
「同じ夜を 僕らは行く」
しみじみと今日のセットリストはスガワスペシャルだと思う。
グローバーさんが誰に何を伝えたいのか。
メンバーも客も何を伝えたいのか。
全員が同じ思いを共有してた。
同じ熱を分け合っているからこそ生まれる最高のグルーヴが、胸を震わせる。


アンコールは、2曲で終了。

鳴り止まないダブルアンコールの声に、もっちゃんが一人で出てきた。
涙目で、でも笑顔で私達と向かい合う。


「突然の発表でごめんなさい。皆も知っている通り、12月16日でJackson vibeを卒業します。
…Jackson vibeに入る前、あるバンドをやってました。
そのバンドは革ジャン、革パンで、笑っちゃだめって、そんなバンドでした。」


LOOPのことを、もっちゃんが話した。客席が少しざわついた。
笑っちゃダメなバンドなんて、LOOPを知らない人は想像つかないんだろうな。
誰もがJackson vibeのすがっちの笑顔が好きだから。


「Jackson vibeに入って、楽しくて。大好きな曲が沢山生まれて。
音を楽しむって、本当の意味での音楽を4年間やることができました。」


音楽を諦めないでくれてありがとう。
どう邪推したってLOOPの終わりは辛いものでしかなかったはずだけど。
tae抜けても裏表コインやめてもSOS抜けても
それでも音楽を続けていてくれたから、もっちゃんはほんとの音楽ができたんだ。


「メッセージで『バイバイ』て書いちゃって。ああ、やばいなーって思ったんだけど(笑
僕はJackson vibeが大好きだからこれからはファンとして応援するし、
僕も、また皆にどこかで会えるように音楽を頑張ります。」


音楽を続けると、もっちゃんの口からやっと聴くことが叶って。嬉しくて涙が出た。


「最後にもう少し、みんなで音楽やりましょう。」


(MCを一語一句覚えるなんてことはできなくて。
密録は死んでもしたくない派だからどうしようもない。
言葉と言うものはとても難しくて、ちょっと変わっただけでも
全然別の意味になってしまう。
もっちゃんのMC、私が書き起こしたもので正しいニュアンスが伝わりますように、と思う。
違ってたらごめんね。御指摘よろしくお願いします。)


ダブルアンコール。
・Walk down a bridge
最後はこの曲しかないんだけど。
どうしても涙が止まらない。
橋谷さんも、佐藤さんも、グローバーさんも、もっちゃんも。皆泣いてた。
皆何度ももっちゃんを見る。
橋谷さんは今日のライブのとき、何度も何度ももっちゃんの方を向いてた。
もっちゃんを見る皆のことを、もっちゃんは笑顔で見てた。
それでも時々涙で顔を歪ませてる。
「前へ 前へ 前へ」
全員で叫んでた。グローバーさんには鬼気迫るものがあった。
アウトロでシャウトするグローバーさん。
終わらせたくない、そんな想いがあったんじゃないかな。
音を途切れさせたくないって。



最後の一音がやんで、ライブが終演を迎えた。涙でぐちゃぐちゃの笑顔で
客と向き合う4人の姿が本当に愛しく思えた。



2006/12/09

Jackson vibeドラム須川さんの脱退について。

12月5日にJackson vibe公式HPにて、ドラムの須川さんの脱退が発表になりました。



12月5日といえば下北でフラカンとサードクラスのライブがあり、

私はそれに参加してけいすけのうんこトークで爆笑し、

前さんの投げたチョコレートをゲットして浮かれポンチで帰りの山手線に乗りました。

何気なく見た2ちゃんのJackson vibeスレで書き込みを見つけ、慌てて公式HPに飛びました。

泣きました。とりあえず一晩泣きました。



Jackson vibeを初めて生で観たのは去年のRIJF。

あの暑い熱い太陽の下で聴いた分厚いグルーヴ。

あの日私はJackson vibeの虜になった。

『八月』の強くて切なくてあったかいあのドラムをいっぺんで大好きになった。


その後、そのドラムの「すがっち」が7年前に私の心臓射抜いたLOOP THE LOOPの基くんだったと気づいて

びっくりして、嬉しくて。ああ、音楽を好きな限りはどこかで必ず繋がってるんだって。

『縁』って言葉の意味をしみじみと思った。



どこかで繋がってる。音楽を好きな限りはそれはきっと途切れない。

そういう風に思えたのは、須川さんに会えたからなのに。

こともあろうに須川さんは脱退の文章で「バイバイ」って書きやがった。


音楽を続けるんでしょう?

そうやってグローバーさんたちも書いてるじゃないか。

なのに脱退メッセージのラストで「バイバイ」とはなにごとだゴルァ。

…気づけば逆切れモードになっている自分の思考回路はどうかと思うけど(汗


須川さんはわかってない。

「Jackson vibe」だけでなく、ただ、そのドラムの音を好きな人がいることを。

「Jackson vibeの須川基」だけが愛されてるわけじゃないんだよ。



6年前、LOOP THE LOOPが解散した。

だけど私はtaeを見つけた。

taeにはあまりのめりこまずに音楽自体もあまり聴かなくなった。

ある日、ふと須川さんがtaeを脱退してることを聴いた。

だけど去年のRIJFでJackson vibeで笑顔でドラム叩く須川さんを見つけた。

笑顔なんて初めて観たからLOOPのもっちゃんだって気づくのに暫くかかったけど(笑

だけどそうやってちゃんと見つけて、もっちゃんのドラムを7年前から聴いてるんだよ。



今年の4月にシェルターで初めて手紙を渡して話をした。

LOOPを知っていると言ったら酷く驚いていたけど、だけど笑って


「観ててくれてありがとう。これからも観ててね。」


って言ってくれたんだ。

嬉しくてぶんぶん首振って頷いた。

勝手に約束だと思うことにした。

須川さんのドラムを好きな限りはずっと聴くって。観てるって。そう約束したって思うことにしてた。




だから「バイバイ」なんて絶対にしない。

「次のライブ楽しみにしてます。笑顔で会いましょう。」

下北でもしも話せたらそういうつもりだ。

音楽をやめないのに「バイバイ」なんて許さない。ストーカーをなめんな(←それは違うと思う


そして須川さんは知るべきだ。

須川さんを、そのドラムを好きな人が沢山いること。

それはJackson vibeの4年間で須川さんが自分の手で掴み取ったものであり、

Jackson vibeじゃなくなったってきっとその手に残ったままのはずだ。

それを伝えたいと思う。ありったけの心で。





そして、3人になったJackson vibeとも来年笑って会おう。