2005/11/23

今更10月8日のライブレポだなんて。

鮮度落ちもいいところですよ。今日の広島ライブで民生カバーやったとか聞いて

なにその民生ファンっぷり、とグローバーさんをますます好きになったことは秘密だ。

ちなみにカバーした曲が『愛のために』とか『さすらい』とか唄ったら悔しすぎ。

東京では何やってくれるんですかーーーーーーー!サザンですかーーーー!



REVERSLOWというペンパルズ林さん率いるバンドの自主イベント。

2マンライブなのだが、確実にアウェー(と思いきや実際は意外とJvファン多し)

かなり狭い箱で、客との距離も相当近い模様。私はこの日真ん中より少し後ろの右端で鑑賞。

一発目から『朝焼けの旅路』。畳み掛けるように『Mr.&Ms. Starlight 』、『GOD OF MUSIC 』と

息継ぎ無しで駆け抜けて、後ろの方でまったり観ているREVERSLOWファンに先制パンチを浴びせた。

それもかなり重いヤツを、だ。

MCでメンバー紹介。ギターの橋谷さんが話しているときにマイクがグローバーさんが鼻をかむ音を拾う。

序盤3曲の客の反応で緊張がほぐれたのだろうか。リラックスした笑顔。

事実、『朝焼けの旅路』は少し気負いを感じた。前週のLOFTよりもなんとなくだけど走ってる感じがした。

風邪引いてて体調が万全でないからと言うのもあるかもしれないけど。

MCを終えて『カミサマオネガイ』へ。この曲の独特のリズムや言い回しはいつどこで聴いても

心地よくて体がゆらりと揺れる。そして『セピア』。

ライブで聴くのは初めてだったが、まずリズム隊の重厚さに圧倒された。

ベースとドラムの厚さが、この曲を単なるバラードにしなかったんだということがライブだと良くわかる。

他のアップテンポの曲よりも激しくて、熱い。

息が苦しくなるほどの密度の濃さで、音が空気を震わせる。

グローバーさんのあたたかい声で紡がれる歌詞が、胸に刺さって痛い。

酷くリアルな痛みを感じて胸をおさえた。ただ、目の前で好きなバンドが歌ってるだけなのに

なぜか音が刃のような鋭さと熱を持っていた。

ただ、それは決して負の痛みではない。

彼等があたたかさを感じさせてくれる生々しい音を放つバンドだからこそのリアルな痛み。

命のある現実は、熱くて痛くて激しい。それをわかってる人が生きてるものに向けて放つから

客はそれを生々しく受け取ることができるのだと思った。

ステージとの間に見えない壁は存在しない。ダイレクトに、聴こえる。


「盛り上げると言っといてバラードはないよな。」

とグローバーさんが笑いながら言った。だけど彼等はこの曲が決してクールダウンのバラードなどと

思っていなかったはずだ。だからやりきったんだと思う。

そして『さよならヒーロー』『シャラララ』『ワンダ』『夜と風と 』と一気にスパートをかける。

気づけば後ろの連中が少しずつ前に移動してきて、人と人との感覚が狭まっている。

無自覚に引っ張られているんだろう。凄まじい引力がそこに生じているのだから。

そして、畳み掛けるように演奏される4曲の演奏の上手さにふと気づく。曲が崩れないのだ。
ライブが聴くに堪えないバンドを知っている。CDだと凄くいいのにってバンドを。

だけど彼等はCDのクオリティを極力損なわない演奏をする力がある。

アレンジによっては、CD以上の厚さで曲をやりきる。

っつか、すごくぶっちゃけるとリズム隊が上手すぎるんだ。ドラムもベースも滑らない。

んで、橋谷さんは凄く丁寧だから客のノリとかには引きずられない。

グローバーさんはなにもかもを巻き込むようなすんげー声の持ち主で、3人の音と絡む。

決して勢いや空気に引きずられたりせず、彼等は彼等のペースで爆発する。

だからもう本当に上手い、と言う感想にいつもなってしまうのだけれど。


最後の曲『Walk down a bridge』の唄いだし。
さっきまであんなに激しく唄ってて、間奏中に鼻までかんでティッシュ投げて、それをパフォーマンスにして

物凄い熱を生んでたバンドとは思えないほど静かで、穏やかな空気が会場を包んでいく。

急に視界が開け、ステージがよく見えるような、狭いライブハウスが広くなったようなそんな錯覚に陥った。

それは別にさっきまでの激しいノリから急に現実に引き戻されたとかそんなわけではなく

彼等の音に凄い奥行きを感じたというか、彼等の演奏している向こうに凄く広がりを感じたとか

飾りっけなく奏でられる音が凄く開放的に聴こえたというか。

ふと、ひたちなかの空を思い出した。あの、泣きたくなった瞬間を。



終わったあと、REVERSLOW目当てで来たらしい男の人が

「難しいこと何一つやってないのにかっこいいなんてずるい。」

と連れの女性に話してた。

なんのてらいもなくても、根っこの太さが、強さが。

彼等の武器であり、良さなんだ。



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