2006/02/12

POMERANIANS@ラ・チッタ・デッラ

POMERANIANSのライブを観るといつもドキドキする。

それは『ライブ』と言う、ある意味『非日常』な空間にいるゆえの高揚感ではないドキドキだ。

彼等のライブを観ている私は、踊り狂ったりましてや「うをををををを!」なんて拳を突き上げたりはしない。

とてもニュートラルで、自分が自分のまま、ありのままに彼等の音楽の渦の中にいる。

そして、その『私』は彼等のライブを観ていつもドキドキするのだ。


野外でのフリーライブ。13:30と15:00の2回まわしで、私は15:00の回を観た。


アコースティックなライブということで、Vo.のザッキーはキーボードじゃなくアコギを弾いて歌う。

一曲目にいきなり『ハナレバナレ』。

物凄く気持ちいいグルーヴにコーラスワーク。彼等は元々巧いのだ。

様子を伺うように1曲目を聴いた。いつもと違う音でも、いつもと同じように胸がぎゅっとなる。

どこでどんな風にやってもポメはポメなんだなって、たった1曲でわかった。

彼等はとても自然体で音楽を鳴らす。

『さよならBABY』、『ロックンロールスター』もそう。聴きながら思わず目を閉じて揺れてしまう。

今回愛情空回りの最前列ゲットなんだから目に焼き付けなきゃもったいないけど

なんか音の世界に閉じこもりたくなって、うっかり目を閉じちゃったり。

それほど彼等の出す音は気持ちいいのだ。私は彼等の最新作のアルバムを絶賛したが

本当のよさはライブを観ないと絶対にわからないと思った。

POMERANIANSはそういうバンドだ。CDだけじゃ絶対に足りない。

彼等がリアルタイムで生み出す音というものの素晴らしさを是非とも知って欲しいと思う。


『今回のアルバムの中でもとても重要な曲です。僕等の今の想いが詰まってます。』

勿論どの曲も大事だけれど、と付け加えてからザッキーが唄いだしたのは『カワタレボシ』。

『ハナレバナレ』の次、2曲目に唄ったこの曲が自分の中でピークだった。

自分的にキラーチューンなのだ、この曲。

1番のBメロでもうこらえきれなくなって涙が出た。んで、自分が何で彼等のライブでドキドキする理由も

ちゃんと言葉で説明できるくらいはっきりと理解した。


私はライブの時、POMERANIANSの音楽を私情挟みまくりで聴いている。

私情を挟みまくりで音楽を聴いて、勝手に胸を痛めて。『カワタレボシ』で泣く。

多分それは音楽の正しい聴き方のひとつだ。

『ハナレバナレ』を聴きながら好きな人を思い、『踊っていたいよ』でカラダを揺らし

『夜明けまで』で優しい気持ちであったかくなる。

彼等の音を聴きながら、色んなことを思う。それは決してステージに集中してないわけじゃなく

彼等の音が、言葉が耳から心へ沁みこむのと同じように、脳にも響くから。

ポメの音で私は私の世界に想いを馳せる。

だからドキドキするのだ。『止まらずに回り続ける私の世界』に『POMERANIANSの音楽』が流れるから。

だから私はとてもニュートラルな状態で、すとんと彼等の歌を受け入れることができる。

そんなバンドに出会えた幸せっつーのは、ほんとに凄いんだ、絶対。


『カワタレボシ』は私がPOMERANIANSにはまったきっかけであり、思えばこの1年、

自分にとってのターニングポイントみたいなときにばかり彼等のライブに行って、それでこの曲を聴いて

胸がぎゅってなってその度に泣いていた。

転職を考え始めた夏、退職を決めた秋の終わり、そして漸く自分の力で世界を少しだけ動かした今。

今日も『カワタレボシ』は私の世界に響いて私を泣かせた。



『カワタレボシ』、『さよならBABY』、『ロックンロールスター』ときて

5曲目は『いつか越えて』。この曲を歌う前にもザッキーは

「今回のアルバムの中で、とても大事にしてる曲です」というようなことを言っていた。

『レインボークライマー』は、私がこの間このブログに書いたとおり

凶暴なまでに純粋な気持ちを詰め込んだ、今の彼等の全てなんだろう。

演奏も歌も酷く丁寧で。野外なのにちっとも暴れてはみでて、って感じがしなかった。

自分達が生み出すものを丁寧に守って、丁寧に放って。

瞬きするのを忘れるくらい、聴き入った。聴き惚れた。息を飲むってこういうことかと。

ラストは『影踏みサンセット』。2番、ミツヨシくんとザッキーの掛け合いに鳥肌が立つ。

ドラムのユーキさんもベースのカズくんもそうなんだけど、ザッキーの声というのは

ポメの誰のコーラスと絡んでも気持ちいい。

特徴のある少し高い声。高音の伸びや柔らかいファルセットは時々神がかってるとさえ思う。

低音を綺麗に響かせるボーカリストがここ最近の好みだったんだけど

ザッキーの歌を聴いているとやっぱり高音の伸びとある意味飛び道具のファルセット。

凄くいい武器と言うか、ギフトだよなあと思う。

爆笑MCにゆるゆるのぐだぐだの空気も交えつつ、6曲きっちり演奏しきってライブは終了した。

凄く満足した。13:30からの第1回のほうも観れば良かったと後悔もしたけれど。



いいライブをありがとうございました。

8月に彼等のライブを初めて観たときに物販でベースのカズくんに言った言葉と同じ言葉を

今日は全員に告げることができた。

私の『ありがとう』はどう伝わったかはわからないけれど、だけどせめてこのエントリを読んでる人には

彼等の音楽の素晴らしさが伝わるといいと心底思う。願う。



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