2006/10/02

ROCK&#39&#59;A&#39&#59;TRENCH@吉祥寺SPC

レポを書きたいと思うのに、上手く思い出せない。
ベースがどうだったとか、あの時の山森さんの声の伸びがどうとか
メンバー紹介の時の畠山さんのトロンボーンソロがどうとか
一生懸命思い出そうとしているんだけど。思い出そうとしても
音楽のカタマリが私の胸をどきどきさせるだけで、上手く思い出せない。

音楽が、SPCを包む。
あの空間にいた誰もがロッカを大好きで、そして本当に笑顔だった。
世界中の幸せを全部あの小さなハコに詰め込んだんじゃないのって思った。

嬉しくて楽しくて、胸が痛くて泣けた。
ロッカの2人が放つ音楽は、「嬉しい」と「楽しい」から生まれていて、
そして人は「嬉しい」と「楽しい」が己のキャパを越えると涙が出るんだと知った。
どう消化していいかわからなかったんだ。幸せすぎて。
2人の生み出す音楽が好きで好きで仕方がなくて、生でそれを聴いて。
初めてのワンマンライブって、記念すべき瞬間に立ち会って
世界中の幸せを独り占めにしてるような2人の笑顔を見たら自分の持ってる辛いものが全部消えて
自分の心が幸せで満たされた。
あの瞬間に流れていた音の全てを愛しいと思った。

仕事が終わらなくて「NoRemedy」の途中で入場した。
客の皆が笑顔で、ステージが眩しくて、すぐにその空気の中に私も混ざれた。
予想以上にこのライブを自分が楽しみにしていたことにちょっと驚いた。
凄く正直なことを言えば7年ほど好きなドラマー@Jackson vibeのもっちゃんのお祝いに
京都に駆けつけたいって思ってた。
だけど、自分で思っている以上にロッカの音楽は私の中にすとんと納まっていて
私はそれをいつだって愛しいと思っていたのだ。
新曲の「Free」で身体が揺れる。「約束」で少しだけノスタルジアを感じる。
カバー曲の「ビューティフルネーム」。客席からわあって歓声が上がった。
ここにいる人みんなで音楽をやってるというか、音楽を共有してる。
そういう感覚がどんどん顕著になっていく。

「Spit」「NewWave」とSKASKAを彷彿とさせるアッパーなナンバーが続く。ホーンが冴え渡る。
「元SKASKA」なのに、その事実を忘れそうになるのは、過去がとても自然に過去になり、
少しも否定されずに今の音楽が生まれているから。
アッパーな曲を聴くとSKASKAを思い出すけれども、SKASKAとはやっぱり全然違う。
ロッカの音は少しも攻撃的じゃない。
ライブハウス中の人間とハイタッチできるような、そんな幸せな音が爆発するんだ。

「砂の風に乗って」。ここで鳥肌がたった。「嬉しい」と「楽しい」が溢れた。
楽しくて仕方ないはずなのに、少し痛くて泣きたくなる。
膨大な幸せを全部受け止めきれないんだと思った。
拳を突き上げて皆で歌っても、上手く昇華できない。エネルギーが己の中に留まって
少しずつ涙が溜まっていく。なんで泣きたいのかわからない。
皆笑顔で、私も笑顔で。楽しくて仕方ないのに。

最後の曲の前にMCがあった。
「ロッカの音は『嬉しい』と『楽しい』から生まれてる」
自分がその前の週に下北で渡した手紙だった。さすがにびっくりして死ぬかと思った。
(少しネタとしては古いが『WEBやぎの目』に投稿したくなったw)
音楽とは音を楽しむものなのだ。
すべからく、人を幸せにするものであるべきなのだ。
音楽は、モラトリアムの世界で反骨精神を叫ぶツールでも、かっこつけてアンチぶる為の武器でもないのだ。
ロッカは音楽を歪ませない。
音楽をやるためにどれだけ戦っていても、血まみれになっても
音楽が愛しくて幸せなものであると言う事実を少しも曲げない。
その、しなやかさというか強さがロッカの音がどこまでもあたたかい理由であると私は思ってる。
彼等がステージの上で幸せを爆発させているのは、本当に笑顔でいてくれるのは。
私達の知らないところで戦ってるからだ。
少しも逃げずに、諦めずに。きっとほんとに頑固なんだと思うよ。
だからこそ、音楽はどこまでも音楽で、私達を幸せにしてくれるんだ。

「Secret Of The Night」、涙が止まらなかった。ボロボロだった。
嬉しいって、ほんとに嬉しいって、そんな思いだけで泣けた。
アンコール。「風が笑って」は、本当にパーソナルな曲とのことで。
音楽が好きな人にとって、音楽が思いを伝えるツールになるということがとても自然なものであると知った。
(だからこそ、音楽は歪みやすいものであるとも気づいた)
オーラス「ランナーズ・ハイ」
私は苦しい時にこの曲を聴いて、無理矢理一歩踏み出している。
穏やかな日常の中にだって、戦いはある。能天気な私だって、しんどいと思うことはある。
だけど、ちゃんと戦って生きていないと。
音楽を聴いて幸せになれることも、サッカーを見て熱狂することも、旅行へ行ってのんびりすることも。
きっと何もできなくなってしまうから。
幸せを幸せだと感じる為にはちゃんと戦って、生きてなきゃいけないんだ。
ロッカの音楽が、私にそれを教えてくれた。
私はとりあえず戦って、なんとかちゃんと生きてるから。
だからこのライブを本当に楽しくて幸せなものだと思えた。
世界中で一番幸せな空間だったよ、9月29日の吉祥寺SPCは。


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